8月16日に、薬師寺にて令和5年のお盆法要が行われました。
お盆の法要は、別名「施餓鬼会(せがきえ)」ともよび、
苦しみの世界におちた方へ食事をほどこす功徳によって、
ご先祖様やその家にしあわせがもたらされる儀式です。
よくお盆は亡き人のための里帰りとも言われます。
あちらの世界に行った方が、8月13日をはじまりとして、
こちらの世界に里帰りをする期間。
里帰りされたご先祖様には多くのプレゼントがあった方が喜ばれますよね。
お盆も同じで、牛馬という乗り物で喜んでいただき、
霊供膳というお食事で喜んでいただき、
施餓鬼という功徳で喜んでいただくのが、お盆の大切な考え方なのです。
今年は、「やくしみくじ」や「麦茶のお接待」に加えて、
キッチンカーも初めて登場し、多くの方が楽しそうに購入されていました。
来られた方にくじを引いていただき景品をプレゼントしました。
暑い時に冷やした麦茶は格別です。
あっという間に行列になり多くの方が喜んでました。
真言宗では弘法大師様の作とされるこんな歌があります。
阿字の子が 阿字のふるさと立ち出でて また立ち帰る 阿字のふるさと
分かりやすく言えば、私たちの生命は阿字(大日如来)から生まれ。
亡くなったらまた阿字(大日如来)に帰っていく、という歌です。
よく「真言宗では亡くなったら阿字(大日如来)に帰るから、故郷は阿字ではないのですか?」
と聞かれることがあります。
故郷と言えば、何でしょうか。
生まれた場所のことを故郷と言う場合もありますが、
ご縁のある場所や永く住んでいた場所を第二の故郷と言ったもします。
また、家庭をもったりすると、故郷が変わったりもします。
このように生きている私たちにも故郷がたくさんあるように、
実は亡くなった人の故郷というのもたくさんあるのです。
亡くなった人の故郷は阿字や密厳浄土だけではないのです。
生前に生きておられたこの世界も当然、故郷のひとつであり、
亡くなった方の里帰りがこのお盆なのです。
お盆は、亡くなった方の里帰りです。
様々な形で歓待するのもよいですが、
是非、亡くなった方とお話ししていただき、
いまの自分を振り返ってみてはいかがでしょうか。
亡き人のあたたかな声が、きっと聞こえるかも知れません
お寺という場所は葬儀や法事というイメージが強く、
ともすれば大人の為の場所になりがちです。
薬師寺では今年の花まつりで、初めての試みとして稚児行列(ちごぎょうれつ)を行いました。
多くの方が集まり、笑顔が集まり、とても豊かな気持ちになりました。
薬師寺は、全ての世代の方がほっとできるような、「あたたかいお寺」を目指しております。
定例の仏教行事をはじめ、足育講座や各種セミナーなど今後も各世代に向けた様々な催しを予定しております。
ホームページ、Instagram、寺院内掲示板などで随時お知らせいたしますので是非ともチェックしてみてください。
皆様のお越しを心よりお待ちしております!
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